ホントに大丈夫?? 訪問看護の将来性を考える

2023年1月27日

近年、訪問看護を利用する方が増え、訪問看護ステーションで働く看護師のニーズも高まっています。そもそも訪問看護とは何か、訪問看護の仕事内容にはどのようなものがあるの見ていきましょう。 また、転職先として訪問看護を考えている看護師が知っておきたい働き方や将来性についてもまとめています。ぜひ参考にして、納得できる転職を実現してください。

Contents

おい!あんた!そこに将来性はあるんか

みなさんは訪問看護ステーションの将来性について考えたことはありませんか?

 

「訪問看護ステーションを立ち上げようと考えているけど、将来性はどうなんだろう?」


「訪問看護ステーションのリハビリが厳しくなってきているって聞いているけど本当かな?」


「訪問看護ステーションが沢山増えているけど、これからも増えるのかな?」

 

上記のように、訪問看護ステーション勤務している方や、これから新規開設を検討している方にはとても気になるところだと思います。

 

実際、近年訪問看護ステーションは大幅に増えています。 

 

令和3年度訪問看護ステーション数調査結果によると、2010年に6000事業所程度だったのが、2021年には、13000事業所を超えています。

 

今後もこの流れが続くのでしょうか?

 

この記事では、その辺りを踏まえて、訪問看護ステーションの将来性について考えていきたいと思います。

 

結論!こんな訪問看護が生き残れる?

・理学療法士等による収益化が難しくなってきている。


・医療依存度の高い方をみることができる訪問看護ステーションが収益性が高い。

 

この2点に気づいてしっかりと対策ができている会社ははやり生き残れると思います。

 

参考文献:訪問看護の現状とこれから→https://www.jvnf.or.jp/global/The_Present_and_Future_of_Visiting_Nursing2022_JP-memo.pdf

 

訪問看護ステーションの将来性

一括りに訪問看護ステーションの将来性といっても幅広いので、今回は「需要と供給」、「単価」から、どのような訪問看護ステーションが生き残れるか考えていきたいと思います。

 

需要と供給

需要

訪問看護ステーションは、高齢者の増加によって成長してきたことは間違いないと思います。

 

その高齢者の増加は、現在も右肩あがりであり、令和2年版高齢社会白書では、65歳以上の高齢者は令和24(2042)年に3,935万人にピークを迎え、令和元年3,589万人よりもさらに増えると推測されています。

 

また、近年訪問看護ステーションの認知度も上昇しており、地域包括ケアシステムの構築、在宅での看取りなどが推進されていることから、あと20年程度は訪問看護ステーションの需要は高いと考えられます。

 

一方で供給側はどうでしょうか?

 

供給

先ほども記載通り、訪問看護ステーションはここ10年で2倍に増えています。

 

その間の65歳以上の人口の推移は2010年は2925万人程度に対し、2020年は3600万人程度になっています。

 

概算で1.2倍程度の増加率となります。

 

数字だけ見ると訪問看護ステーションの数が圧倒的に増えており、過剰供給になりかねないところもありそうですね。

 

令和3年度訪問看護ステーション数調査結果では、前年度に比べ、大都市を中心に急増している一方で、岐阜県や滋賀県は訪問看護ステーションが減っているところもあります。

 

地域の高齢化率など状況によって過剰供給になり始めているところもあるかもしれません。

 

単価

訪問看護ステーションの単価は、介護保険と医療保険の改定ごとに変わり、介護保険は3年に1度、医療保険は2年に1度の改定となります。

 

近年では、令和3年度に介護保険、令和2年度に医療保険の改定がありました。

 

介護保険の改定では、ここ数回は看護師訪問による算定点数(Ⅰ2、Ⅰ3、Ⅰ4)は上昇傾向です。

 

また加算についても、看護師割合、医療依存度が高い訪問看護ステーションに多く加算がつくようになっており、看護師訪問による収益性は高くなってきています。

 

一方、理学療法士等による算定点数(Ⅰ5)は減少しており、理学療法士単独での訪問サービスができなくなるなど、風当たりが強くなってきています。

 

医療保険も介護保険同様に、理学療法士等の訪問に対して、加算がつかないなど理学療法士等の訪問に対して制限が増えてきておりますが、まだ単価に対して大きな減算などはなくきております。

 

医療保険は令和4年度に改定がある為、どのように変わるか見守る必要がありそうです。

 

2025年に向けて、訪問看護が目指す姿

○訪問看護の現状

 訪問看護ステーション数は、平成 24 年頃より増加 傾向にあり、平成 26 年 4月現在約 7, 400か 所 で す 。

 

し か し 、 ま だ ま だ 地 域 に よ っ て は 偏 在し て お り、訪 問 看 護 師 数 も 十 分 と は 言 え ま せ ん 。

 

在 宅 ・ 地 域 で 療 養 生 活 を お くっ て い る 利 用 者 を 支 え る訪問看護サ ービスは、高まる需要に応えきれていないのが実情です。

 

開設者は、医療法人が最も多くなっていますが、年々、 民 間 営 利 法 人 の 比 率 が 高 ま っ て い ま す 。 ま た 、 小 規 模 事 業 所 が 多 く期 待 さ れ る 役 割 を 十 分 に 果 た す こ と が 困 難 な 状 況 で す 。

 

2025 年に向けて、 訪問看護が目指す姿

訪 問 看 護 に 求 め ら れ る 使 命 は 多 々 あ りま す が 、 そ の中でも特に重要な課題は、日本全国どこでも24 時 間365日、いつでも必要な質の高い訪問看護サービ ス を 届 け る 仕 組 み を つ く る こ と で す 。

 

そ の た め に 、 2025年に向かって訪問看護事業所の目指すべき方 向の一つは、多機能化・大規模化です。

 

在宅で療養する人の立場で今後の在宅ケアの制度 の 在り方 を 考 え る と、 電 話 一 本 で 必 要 な サ ー ビ ス が 届 くよ う な 仕 組 み が 理 想 の 姿 で す 。

 

そ の よ う な 姿 を 念頭に、2025 年に向けて訪問看護ステーションが核 と な り、 多 職 種 と と も に 在 宅 で 療 養 す る 人 が 必 要 な 介 護 サ ー ビ ス 、 生 活 支 援 サ ー ビ ス を 一 体 とし て 届 け ら れ る 仕 組 み づ くり に 向 か っ て 努 力 す る 必 要 が あ り ま す。

 

1992年に、在宅療養している高齢者の自宅に医
師の指示のもとに看護師が訪問できるという訪問看 護 事 業 が ス タ ー トし て か ら 2 3 年 が 経 過 し ま し た 。

 

今 後、医療ニ ー ズが高い方や住み慣れた場所でのターミ ナ ル ケ ア を 望 む 方 が 地 域 で 暮 らし 続 け ら れ る よ う に 、 地域包括ケアシステムを構築する必要があります。

 

そ の 構 築 に は 、 自 宅 を 訪 問 す る「 訪 問 看 護 」や「 定 期 巡回・随時対応サ ービス」にとどまらず、「複合型サ ー ビス(平成27年4月以降‘看護小規模多機能型居宅 介護’に変更予定)」など日帰りサ ービスや宿泊サ ービ ス等も含めて、地域で暮らし続けることを支援する看 護 サ ー ビ ス 全 般 を 視 野 に 入 れ 、 そ の 推 進 に 力 を 注 ぐ こ と が 必 要 に な る こ と が 予 測 さ れ ま す 。

 

参考文献:訪問看護アクションプラン2025→https://www.jvnf.or.jp/2017/actionplan2025.pdf