役割?学び?訪問看護師!

2023年2月6日

看護師の働き方として、病院だけではなく、地域で在宅医療が必要な人の生活を支える「訪問看護」が増えています。訪問看護師の働く場所や仕事内容や役割などについて紹介していきます。

Contents

能力爆あがり!?訪問看護は学びの場

訪問看護のスキルで求められることは、まずは、人として信頼を得る事です。

 

医療職という看護師としての医療知識や技術は求められますが、利用者さんは、看護師の医療知識や技術の良し悪しを判断することはできません。

 

利用者さんが、良い看護師かどうかは、信頼が置けるかどうかで判断しています。

 

それは、挨拶をしっかりとする、話をしっかりと聞いてくれる、訪問時間を守る、次回に行うと言っていた約束を守るなどです。

小さなことですが、そういったことの積み重ねが信頼につながります。

こういった能力は対人関係の基本になり、今後どこの転職するとしても自分の良さとして生かせることができます。

 

訪問看護のコミュニケーション

信頼を得るためには、コミュニケーションが大切です。

まずは、しっかりと利用者さんや家族の話を聞くことです。

傾聴で大切なのは、ただ話を聞くことではなく、話を聞いて受け止めることです。

 

例えば、出来ない依頼の話を聞いて、「できないんですよ。」ではなく、「そういったことを希望されているのですね。」とまずは一度受け止めることが必要です。

 

その上で、何であればできるのかを利用者さんと一緒に考えていくことが必要です。

看護師として、医療的な視点で、あれこれと助言するのは良い場合もありますが、気をつけた方が良いです。

それは、利用者さんの生活状況によっては、医療的に必要であっても行えないこともあるからです。

そんな利用者さんの生活状況を考慮せずに、一方的に助言を続けると、疎まれることもあります。

 

訪問看護は、利用者さんがどう病気と付き合っていくのか、利用者さんにとって最善の方法を一緒に考えていくことが必要です。

 

療養上の世話

皆さん、看護師の2大責務を覚えていますか?

 

それは「診療の補助」と「療養上の世話」です。

 

病院が「診療の補助」の面が強いのに対して、訪問看護では「療養上の世話」の面が強いのが大きな役割の違いになります。その中でも大きく分けると9つに分類されます。

 

・病状の観察

・在宅療養のお世話

・介護予防

・医師の指示による医療処置

・在宅でのリハビリテーション

・褥瘡の処置・予防

・認知症・精神疾患のケア

・ターミナルケア

 

地域との他職種連携

訪問看護では療養上のお世話と共に重要な役割が「地域との他職種連携」になります。

 

在宅で生活する上で、専門職が近くにいない場合不安が強かったり、専門的な知識は患者さんやその家族で解決しない場面が多々あります。そういったときも訪問看護師が解決や調整する役割が求められています。

 

・薬の相談・指導

・医療機器の管理

・ご家族への介護支援・相談

 

訪問看護の保険知識を得ること

訪問看護は、介護保険と医療保険の両方を使えます。

その他にも、精神科訪問看護や自立支援(更正医療)や難病など様々な制度が利用できます。

 

それら全てを把握する必要はありませんが、
介護保険と医療保険の1回あたりの金額や
比較的算定する特別管理加算、夜間早朝・深夜加算・緊急時訪問看護加算(24時間対応体制加算)などは知っておく必要があります。

 

介護保険は3年、医療保険は2年置きに制度が変わるので、継続して知識を得る事が必要です。
はなももでは、入職後に研修で勉強する機会を設けてるので、安心してください。

 

訪問看護の医療スキル

医療スキルとして、まず求められることは、観察です。

心境や体調や病状の変化、生活状況の変化などを把握していくことが必要です。

 

訪問看護で行う処置については主に下記になります。

 

○訪問看護で行う処置一覧

  •  点滴の管理
  •  胃ろう・腸ろうからの栄養・管理
  •  経鼻経管栄養・管理
  •  胃瘻部の処置
  •  腎瘻部処置
  •  中心静脈栄養の管理
  •  点滴静脈注射
  •  点滴皮下注射
  •  インシュリン注射
  •  筋肉注射
  •  ポート管理
  •  人工呼吸器
  •  酸素療法
  •  気管切開の処置
  •  腹膜透析
  •  疼痛の管理(麻薬管理)
  •  持続モニター測定
  •  褥瘡の処置
  •  創傷処置
  •  ストーマの処置
  •  浣腸・摘便
  •  導尿
  •  精神症状の観察
  •  服薬セット
  •  入浴介助
  •  爪切り
  •  常時頻回の喀痰吸引
  •  留置カテーテル交換
  •  膀胱洗浄
  •  タッピング
  •  坐薬挿入
  •  点眼

 

経験したことがない手技もあると思いますが、訪問看護で身に付けることは可能です。

在宅医療でも、日々、新しい手技が更新されているので、看護師同士で共有し合っています

 

年収が600万円以上にアップすることも

例えば訪問看護で身に付けた能力は一般企業に転職する時にも優位に働きます。

 

2017年にE&M Reportが発表した、医療機器メーカーの年収ランキングでは、年収500万円台後半が半分以上を占めていました。

 

そのため、フィールドナースとして勤務することで、年収が500万円台後半~600万円台にアップする可能性も高いです。

 

看護師として年収アップを狙う場合には、夜勤を増やすことが必須となりますが、夜勤をせずに比較的安定した勤務時間で年収アップを狙えるというメリットがあります。

 

看護師の一般企業への転職とは

看護師の一般企業への転職は、看護師として一般企業で働く場合と、看護師とは異なる分野で就労する2つのパターンがあります。

 

看護師として一般企業で働く

看護師として一般企業で働くというのは、イメージが付きにくい方もいると思いますが、近年は会社で働く人のメンタルヘルスのケアや、健康管理に注目されており、看護師を配置している企業が増えてきています。

 

大手企業などでは、産業看護師として会社に看護師などの医療職が駐在しています。

 

産業看護師は社員の医療的・看護的サポートを行い、業務を円滑に進めるための職務にあたります。

 

看護師以外の職種で一般企業で働く

看護師としてではなく一般企業で働く場合、医療機器メーカーの品質管理の仕事などでは、看護師としての経験を活かすことができます。

 

この記事では、看護師が一般企業で看護師以外の職種として勤務する場合、おすすめの職種なども紹介しています。

 

一般企業で勤務する場合、勤務時間が9時~17時が平均的で、週休2日制の場合が多いです。

 

病院での不規則な勤務や、夜勤を避けたいという方にも一般企業への転職はおすすめできます。

 

こんなのもあります!?

訪問看護ステーション運営会社での採用担当

看護師全体で人材不足が深刻ですが、中でも有効求人倍率も非常に高く、人手不足が深刻化しているのが訪問看護ステーションです。

 

訪問看護ステーションで、主に採用担当として勤務する職業は、看護師からの転職におすすめです。

 

採用担当として、採用イベントを企画・実行したり、求人広告に携わったり、実際に採用面接などを行うことが主な仕事内容となります。

 

看護師経験があるからこそ、求職者のニーズがわかり、看護師目線になって求人票の作成を行うことができます。

 

医療系人材紹介会社でのアドバイザー

医療系人材紹介会社のアドバイザーとは、いわゆる医療系求人に特化した転職サイトで、転職希望者に対して様々なサポートを行うスタッフです。アドバイザーは、エージェントとも呼ばれます。

 

看護師としての経験を活かして、求職者の経験やスキルを客観的に判断し、同じ看護師だからこそ理解できる悩みや、ニーズを把握してよりよい転職先の提案をすることが可能です。

 

訪問看護の真の役割とは!?

看護師として現場で働いていると大切にしたいものがよりはっきりとしてくる。

 

大切なのは、相手と向き合う気持ちと姿勢であるという考えは若いころから変わっていない。

 

今、私は在宅医療の現場にいるが、何がなんでも在宅医療がよいと考えているわけではない。まず日常接する中で、本当に家で過ごすことを希望しているのかをキャッチすることが重要だと思っている。

 

単純に病院と在宅療養を比較するのであれば、見慣れた家具、家族に囲まれて生活するほうがいい。同じ医療ができるのであれば在宅療養に越したことはないと思っている。

 

生活の中に自然に医療がとけ込めるようにすることが在宅医療チームの役割だと思う。