けっきょくどっちよ?!訪問看護のメリット、デメリット
2023年2月13日
訪問看護の仕事ってどんな仕事?と気になっている看護師さんはおられませんか? 訪問看護の仕事は、一般的な病院勤務とはちょっと違った部分があります。 本記事では、訪問看護の仕事内容やメリットデメリットを解説するとともに、ライフデザインの訪問看護ステーションあろはのご紹介もしています。 訪問看護の仕事が知りたい看護師さんは、ぜひ参考にしてください。
Contents
訪問看護とは?徹底解説!
具体的に何すんの?
訪問看護とは看護職が利用者宅を訪問し、医師の指示の下でバイタルチェックや医療的なケア、医療器具の管理を行い、さらに食事や排泄の介助などの身体ケアも行うサービスです。
訪問するのは、主に病院、診療所、訪問看護ステーションに所属する看護師や准看護師、保健師、助産師などで、
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などがリハビリを行う場合もあります。
サービス内容と特徴
訪問看護では医療、介護に関する幅広いサービスを受けることができます。具体的には以下の通りです。
- 病状の観察とバイタルチェック
- 医師の指示に基づいた医療ケア
- 食事や排泄の介助といった身体のケア
- 認知症のケア
- 服薬のチェックと指導
- リハビリの提供
- ターミナルケアのサポート
よくある訪問看護のメリット
では訪問看護で働くメリットはどのようなところでしょうか?
ひとりの患者さんにじっくり関われる
病院勤務では大勢の患者さんを相手にするため、患者さんへゆっくり対応するのは難しい場合があります。
一方訪問看護では、一人の利用者さんに対して決められた時間関わることになるため、落ち着いてじっくり対応できるメリットがあります。
在宅生活での看護について学べる
医学的管理の必要な方が、実際どのような生活をしているか知ることができることも、訪問看護で働くメリットのひとつ。
生活の場での患者さんに触れることで、看護師としての視野も広がります。
労働時間の調整がしやすい
訪問看護は病院勤務に比べて、労働時間の調整がしやすい仕事です。
訪問看護は、
・夜勤がない
・午前のみ出勤
・1日何時間出勤
・週3勤務
などの求人も多く、家庭との両立がしやすいメリットがあります。
具体的なメリットを紹介
夜勤なし!柔軟な働き方の職場が多い
訪問看護は基本的に夜勤がなく、日勤がメインです。
病院看護師のように生活リズムが崩れることが少ないので「夜勤がつらい」という方におすすめです。
また、時短勤務やパートタイム、直行直帰OKなど、柔軟な働き方ができる訪問看護ステーションが多いのも魅力です。
日勤のみでも給与水準が高い
夜勤がない働き方のわりに給与水準が高いのも、訪問看護師として働く大きなメリットです。
訪問看護師の平均年収は約430万円。
夜勤手当がなくなる分、看護師全体の平均年収(約480万円)からはやや下がるとはいえ、「日勤のみ」という条件で比較すれば、訪問看護師は好条件と言えるでしょう。
3土日休みが多い
訪問看護ステーションは、土日祝日をお休みとしているところが一般的です。
交代制で出勤したり、オンコール対応をしたりする場合もありますが、土日休みを中心に予定が立てやすいでしょう。
お子さんがいる方などは特にメリットを感じられます。
時代のニーズに合ったキャリアアップ
訪問看護師としての経験は、これからのキャリアにとって大きな強みになるでしょう。
高齢化のピークを迎え、在宅医療・訪問看護のニーズが伸び続けている中、「訪問看護の経験者」は貴重な存在です。
いずれ病院に戻るとしても、退院支援などで役立つ在宅の経験は、高く評価されるポイントです
まだまだ訪問看護師が少ない今だからこそ、経験を積んでおくメリットは大きいと言えます。
じっくり向き合う看護ができる
訪問看護では、利用者さんの生活に寄り添い、じっくり向き合う看護が実践できます。
急性期病棟などで慌ただしく入退院に追われることに疑問を感じている看護師さんなら、きっと大きなやりがいを感じられるでしょう。
訪問の間は1人の利用者さんだけに時間を使えるところも、多くの訪問看護師さんが訪問看護の魅力に挙げる点です。
よくある訪問看護のデメリット
つづいてデメリットも紹介します。
オンコール対応がある
オンコール対応とは、勤務時間外でも呼ばれたらいつでも対応できるように待機しておくこと。
訪問看護では職場によってオンコールの必要なことがあります。
オンコール対応は基本持ち回り制。
担当するのは一般的に月4~8回程度と言われています。
またオンコールは、おもに電話対応で、緊急訪問が必要なのは月3回程度が目安です。
基本一人で対応する必要がある
訪問看護は基本一人で行います。
そのため、その場の判断は自分で行う必要があります。
経験の浅い看護師には大変そうですが、判断が難しければ事業所へ相談すればよいので、心配はないでしょう。
運転免許が必要
都心は自転車がメインですが、訪問看護だけに運転免許は必須ですね!
運転が苦手な人には負担がかかるかもしれません。
具体的なデメリット
オンコールがある
基本的に夜勤のない訪問看護ですが、月に数回、夜間の急変などに対応するためのオンコール対応があります。
オンコールは、担当者が専用の携帯電話を持ち帰って自宅待機し、利用者さん・ご家族の電話に対応するのが一般的です。
担当の日は緊張が続くので、デメリットと感じる方も少なくありません。
訪問看護ステーションによって、オンコールを担当する頻度・電話が鳴る頻度・緊急訪問する頻度は異なるので、転職先を決める際は確認してみると良いでしょう。
教育・研修プログラムがないことも
訪問看護ステーションの中には、決まった教育・研修プログラムやキャリアラダーがないところもあります。
5人前後の小規模なステーションが多いため、教育にマンパワーが割けないという事情もあるようです。
一方で、訪問看護の世界では、実践を通じてマンツーマンでじっくり育てていく風土があります。
最近では、中長期的な教育プログラムやラダーを用意するステーションが増えてきました。それぞれのホームページなどで公開されていることも多いので、チェックしてみましょう。
医療処置スキルを発揮する場面が少ない
訪問看護は比較的、状態の落ち着いた利用者さんが多いため、高度な医療処置が必要な場面はそう多くありません。
難病の方や末期がんの方など、医療依存度の高い利用者さんもいらっしゃいますが、訪問看護師が担うケアとしては、療養の世話のほうが比重が高くなります。
そのため、訪問看護を長く続けるほど、処置スキルが鈍るというデメリットを感じるかもしれません。
「現場で1人」の不安がある
訪問看護師は、基本的に「現場で1人」になる仕事です。
病棟のように、すぐそばにほかの看護師がいるわけではないので、1人で判断・行動しなければなりません。
「そんなに重い責任を負えるだろうか」「自分の判断が間違っていたらどうしよう」と不安を覚えるかもしれません。
けれども実際は、現場で心配なことがあれば、管理者や先輩看護師に電話やチャットですぐに確認・相談できるフォロー体制を整えているステーションがほとんどです。
とはいえ、現場にいるのが自分1人であることには違いないので、その不安を拭えない方もいるでしょう。
高い「アセスメント力」が求められる
訪問看護師には、高いアセスメント力が求められます。
すぐに患者さんの様子を見に行ける病棟と違って、訪問看護では、週1~2回の限られた訪問時間の中で、
ちょっとした会話や生活の変化から多くの情報を収集し、今後の看護計画を考えていく必要があります。
また、検査なども病院にいるときのようにはできません。高いフィジカルアセスメント力が必要になってきます。
看護師・保健師。訪問看護のビジナを運営。自由な社風が売り。新卒で病棟、訪問看護を経験した後、ビジナ起業。起業前から現場勤務の傍らでPRESIDENTオンラインやJBプレスに寄稿。現在は経営の傍らで英語論文も執筆。AERAドットやFRIDAYデジタルに取り組みが紹介されている。