why!?なぜ訪問看護は給料が高いのか

2023年3月2日

訪問看護の仕事でどれくらいの給料がもらえるのか、気になっている方はいるのではないでしょうか。また、訪問看護師は具体的にどのような仕事をしていて、病院勤務と比較するとどのような魅力があるのか知りたい方もいるでしょう。このコラムでは、訪問看護の給料水準や仕事内容などについて解説します。訪問看護について理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

Contents

訪問看護の給料が高い理由

ここでは、訪問看護の給料水準が高い理由をいくつかご紹介します。

 

前述のとおり、訪問看護の給料は看護師全体の中で比較的高い水準にあることがわかりました。

 

月給が高水準かつ夜勤・残業なしといった求人は多くありますが、その中でもなぜ訪問看護の給料が高いのかを見てみましょう。

 

人材不足

在宅療養を希望する人が増える一方で、訪問看護を行える看護師は不足している傾向にあります。

 

そのため、訪問看護師が増えるように給料水準が高くなっているといえるでしょう。

 

高齢化や入院期間の短縮化などを背景に、訪問看護を必要とする人は今後さらに増えると予想されています。

 

高齢化社会にともない需要が増えている

訪問看護の需要の増加は、日本の高齢化社会に深い関わりがあります。

 

利用者本人の問題だけではなく、在宅療養を支える家族が高齢化している影響もあるのです。

 

「病院に連れていきたくても連れていけない」「通院のたびに公共の乗り物を使うのは大変」といった理由から、訪問看護を望む家庭が増えています。

 

自分の働きぶりによって仕事が増えることがある

訪問看護では、「またこの人に来てもらいたい」と思われるような丁寧な仕事をしていれば、利用者やそのご家族から指名されることもあります。

 

訪問件数は給与に密接に関わってくるので、自分に来てほしいといってくれる利用者が増えれば、その分収入アップに繋がるでしょう。

 

オンコール対応や夜勤ありの職場は稼げる

職場によってはオンコール対応や夜勤があり、日勤に加えこれらの業務も行うことでより多くの給与がもらえるでしょう。

 

夜勤では深夜割増賃金として基本給×0.25倍の手当てが、オンコールでは平均1000~3000円程度の金額が上乗せされます。

 

訪問看護ステーションの給与形態

訪問看護ステーションの給与形態はその企業によって様々ですが、大きな違いとしては「インセンティブ制」を導入しているかどうか、があげられます。
 

医療従事者の方にとってはあまり耳慣れない言葉かもしれませんが、簡単に言うと「成果に対して手当を支給する制度」のことを言います。
 

一般企業の営業職などにはこの制度が適用されているケースがあり、契約件数に応じた出来高としてお給与に手当がつくことがあったりします。
 

ちなみに、病院やクリニックを運営している医療法人、または特別養護老人ホームを運営している社会福祉法人では一般的な月給賞与制を導入しており、入職時の雇用条件に記載されたお給与が額面通りに支給されています。
 

訪問看護ステーションのインセンティブ制度とは

前述のように、インセンティブ制度とは出来高制の給与形態のことを言いますが、訪問看護ステーションの場合は「訪問件数に応じて手当を支給する」という契約となります。
 

つまり「訪問すればするだけプラスでお金が入る制度」という認識です。
 
 

頑張りが評価される

ではインセンティブ制で働くメリットは、というお話になりますが、一言でいえば、頑張ったら頑張った分だけ正当に評価され、手当として給与に反映されるという点です。
 

これは一例になりますが、経験年数は長いけどろくに仕事もせずミスも多い看護師がいたとします。
 

やる気がなく仕事への不満や陰口ばかり言っているのに、頑張っている若手の自分より給与が高いことに納得がいかない、というご経験は少なからず多くの看護師がお持ちかと思います。
 


これには一つのからくりがあります。

病院などを運営する医療法人では、患者の治療という最大の目的があるため「臨床経験を評価する」という考え方が給与査定の基準となっています。

 
 
いくら能力が高く患者やスタッフ間のコミュニケーションが円滑な看護師であっても、臨床経験以上に評価され給与に反映されることはほぼありません。

一方、訪問看護ステーションでは「訪問してサービスを提供すること」こそが目的であり、その価値となります。

 

スキルや経験ももちろん大切ですが、それはあくまでも「良いサービスを提供する為に必要な要素の一つ」と考え、利用者様が安心して快適に日々の療養生活を送れるように支援することを最も大切としています。
 

給与+α

もちろん看護師としての能力求められますが、それ以上に利用者様の気持ちを汲み取り、望みを引き出すコミュニケーション能力が訪問看護には求められます。

 
 
どれだけ経験豊富な看護師であっても、利用者様の気持ちを汲み取れず、適切なサービスを提供できなければ、訪問の停止という事態を招くことすらあるのです。

そこで、より多くの良いサービスを提供した人を評価するべきだ、という考え方が重要となってきます。

 

評価への対価として、給与+α(どれだけ頑張っているか)の手当が支給される点はインセンティブ制度を導入している訪問看護ステーションで働く大きなメリットといえるでしょう。

 

インセンティブで稼ぎたい人が考えるべき特徴5選

まず、インセンティブで稼ぎやすい訪問看護ステーションの特徴をご紹介する前の大前提として、当たり前ですがインセンティブ制度を取り入れているかまたは給料+αの評価制度がある訪問看護ステーションを選びましょう。

 

中にはインセンティブ制度そのものを取り入れていない訪問看護ステーションもあるので、注意が必要です。

 

求人情報を見ると、「インセンティブ:訪問件数〇〇件以上から1件につき〇〇円」などの記載があるのが、インセンティブ制度を取り入れている訪問看護ステーションです。

 

このようなインセンティブ制度に関する記載がある求人の中から、以下の特徴を持つ訪問看護ステーションを選びましょう。

 

・1ヶ月間の新規利用者数が多い

・一番訪問している人の件数が1日6〜7件以上

・訪問エリアが明確に決まっている

・電動自転車もしくはバイクが認められている

・件数でインセンティブを設定している

どうすれば訪問看護師として働ける?

訪問看護ステーションや老人介護施設など、訪問看護師を募集している機関に採用されれば働くことができます。

 

訪問看護師として働くには看護師資格のみが必須とされていますが、可能であれば訪問看護認定看護師の資格を取得するのがおすすめです。

 

より利用者に寄り添ったサービスを提供でき、転職活動にも役立つ資格になります。