訪問看護仕事内容Part10 ステーション開業の知識を学ぶ

2022年10月28日

これから訪問看護で働きたいと思っている方は、ゆくゆくは自分でステーションを開業して経営者側に回りたいと思っている方もいると思います。ビジナではそのような方も応援していますし、ノウハウも学ぶことができます。今回はそんな内容を紹介していきます。

経営者はやることいっぱいです🙀

こんにちは、広報のモフモフです。 

これからステーションを立ち上げたいと思っている方も多いはず。

そうなったときにまずはどこかの訪問看護で経験を積み立ち上げたいと思うのが一般的なプロセスではないでしょうか。

私が広報としてまたプレイヤーの1人として日々社長と働きながらステーション上の難しさについて感じる部分を皆さんと一緒に今日は共有していきたいと思います。

少しでも参考になればと思います。

 

休止・廃止に追いやられる訪問看護ステーション

しかしながら、休止・廃止の件数も多いのが実情です。

 

同じ調査内で、2020年度の訪問看護ステーションの新規数、休止数、廃止数が明らかにされています。

令和2(2021)年度
新規数:1633
廃止数:541
休止数:240

 

新規数1633件に対し、休廃止件数はその約半数にあたる781件。

 

更に令和3(2021)年4月1日のデータを見てみると、456件の事業所が休止状態です。

 

なぜ訪問看護ステーションの経営はうまくいかないのか?

なぜ、訪問看護の需要は高まっているにも関わらず、頓挫してしまう訪問看護ステーションが多いのでしょうか。

 

その理由は、訪問看護ステーションが持つビジネスモデルの特殊さと、人材確保の問題です。

 

必ず人を採用しないと運営できないから

事業が軌道に乗るまでは「ひとり社長」で会社を経営し、業績が安定したら人を雇用するという中小企業は珍しくありません。

 

しかしながら、訪問看護ステーションではそのような経営方法は不可能です。

 

それは「人員基準」の問題があるからです。

 

先ほど少し触れましたが、訪問介護ステーションを開設するには「看護職員を常勤で2.5人以上」という、人員基準があります。

 

この人員基準がクリアできない限り、行政から許可が下りませんので、開業にすら至りません。

 

したがって、多くの訪問看護ステーションの事業主さんは、

 

「まずは何としてでも看護職員を確保しないと」と、人材集めに奔走することになります。

 

開業させることだけが目標になり、人材選びを軽視してしまうから

医療系資格を持ち、かつ実務経験がある人材をピンポイントで探さなくてはなりません。

 

いくら人柄が良くても、資格が無ければ訪問看護ステーションの一員として迎えるのは難しいでしょう。

 

そして、開業させることが第一目標になってしまい、人間性を重視した人材選びができなくなってしまいます。

 

訪問看護ステーションの開業に繋がる人材は、残念ながら人間性や適性がある人材ではありません。

 

人員基準を満たす資格と経験を持った人材です。

 

結果、人員基準を満たす人材だけを最優先に探し、本当に適性がある人材か見極め出来ていないまま採用してしまい、事業所内でトラブルを起こして大量離職に発展……という最悪のシナリオが起きうるのです。

 

高額な人件費

訪問看護ステーションでは、保健師、看護師など、医療系有資格者を何人も雇用しなけれなりません。 

 

その分、給与水準は一般企業より高めとなります。

 

期待した働きぶりではなかったとしても、人員基準や利用者様のことを考えると、雇用を続けざるを得ないという状況に陥ることもあります。

 

訪問看護ステーションの存続を考えると、能力に見合わない高額な給与を払ってでも有資格者を確保しておかなければいけないのかもしれません。

 

しかしながら、そういう事業所で質の高いサービスができるのでしょうか?

 

そもそも人員基準とは、質の高いサービスを安定して届けるために作られた基準です。 

 

訪問看護ステーションの存続だけを考えて、人員基準の本来の趣旨を忘れてしまうと、頭数は揃っていても事業が成り立たなくなるでしょう。

 

仕事ぶりを知っている人を採用すればうまくいく?

過去に同じ職場で働いていた人なら、仕事ぶりを知っているしうまくいくだろう…と考える方もいるでしょう。

 

確かに、過去の仕事ぶりから適性がある程度わかるかもしれません。

 

しかしながらデメリットもあります。

 

それは気心の知れた相手な分、上司と部下の関係が崩れやすいことです。

 

トラブルがあってもつい「なあなあ」で済ませてしまい、他のスタッフの不満がたまってしまうことがあります。

 

更に、知り合い同士でスタッフを揃えてしまうことで、「芋づる式」に離職が発生するケースもあります。

 

気心の知れたスタッフを採用するのは、必ずしも最適解とはいえません。

 

二度あることは三度ある、人材選びの失敗

一度人材選びに失敗した事業所は、二度三度同じ失敗を繰り返すといわれます。

 

資格、経験年数など表面的な情報だけでは本当の適正を判断できません。

 

新しい事業所の場合、早く常勤換算をクリアして、指定申請に臨まなければという焦りも出てきます。

 

自分はいわば指定申請を通すための「駒」扱いだと感じ、事業所を信頼できなくなるスタッフもいるでしょう。

 

一番怖い起業の流れは、「人ありき」ではなく「事業ありき」で進めてしまうこと

もっともハイリスクとなるパターンは、事業をはじめるスタートが決まっていて(起業支援会社にコンサルフィーを支払った、銀行からお金も借りた、事務所も借りたなど)、「何としてでも人を採用して事業をはじめる」というものです。 

 

このパターンの何がハイリスクとなるのか? 

 

それは、「応募者を選べない」ということです。

 

訪問看護は当然のことながら、看護師や准看護師などの資格を保有した方を採用しなければなりません。

 

それに加えて、「臨床経験がある方」を求めることになります。いわゆる中途採用です。人を採用するときに、「資格保有者」「経験者」を求めると応募者数がかなり減ることなります。

 

今年も訪問看護事業の起業を支援していますが、コロナ禍においても想像以上に応募者が少ないということを覚悟しておきましょう。

 

その結果、募集を掛けたとしても、数人しか応募がなく、それ以上の求人費用を掛けることができない起業段階では、やむを得ず「数人の中から一番良いと思える人を採用する」「応募があった人から即採用する」という流れにほぼ100%に近い割合でなってしまいます。

 

ここに「大きな落とし穴」

「一定の基準を満たした人が出てくるまで採用しない」という選考ではなく、「一定の応募者母集団から相対的に良いと思える人を採用する」という選考では、ある程度の問題行動を取る人や能力不足が露呈してしまう人を採る確率が「圧倒的に」高いからです。

 

では、それを回避する方法はあるのでしょうか?

 

残念ながら、「事業をはじめるための期限を設けた採用」ではほぼ不可能ではないかと思います。でも、わずかながらでも後々になって襲い掛かるリスクをコントロールする方法が「2つ」あります。

 

1つは、「心構え」

「いい人を採用することができた」と思いこまず、適正なサービスを提供できる技術と人間性を備えている人を採用できたのかどうかを見極め続けようとする意思を持つことです。

 

ここで、経営者が惑わされてはいけないのは、豊富な知識や経験、技術があるからといって、その人を過度に認めるようなことはしないことです。

 

組織内における生産性を決定するのは、あくまでも人間性です。豊富な知識や経験、技術があったとしても、人間性に問題があれば、遠からず組織内に不協和音が生じることになるでしょう。

 

もう1つは、「ルールの徹底」

就業規則は従業員数が10人以上となって、労働基準監督署への届出義務が発生するため、10人未満であれば作成義務はありません。

 

ただし、いい人を採用できない環境下においては話が異なります。

 

過去の事例や裁判例等からリスクを想定した就業規則を準備しておくべきです。

 

もちろん、入社時にも誓約書等の必要な書類を入手しておいたほうが身のためです。

 

あまりにも厳格的なものを適用させると、「私たちのことを信用してくれていないのですね・・」みたいなことにもなりかねないので、その辺の匙加減は作成する専門家の技量に寄ってしまいますが・・。